スポンサーリンク

マラソン公認コースの大会がときどき見られますが、どのように距離を測定しているか気になりませんか?メジャーで人力で、夜な夜な車が走っていない時間帯に測定しているのだろう・・・と想像しているのですが、実際にどのように測定すれば、公認コースとして認められるのか調査してみました。


スポンサーリンク

公認コースの測定のルール

公認コースの測定のルールは日本陸上競技連盟が発行している『陸上競技ルールブック』の競技場に関する規定、細則『長距離競争路ならびに競歩路公認に関する細則(PDF)』に記載されています。

公認コースのあれこれ

公認する距離は?

公認される距離はあらかじめ下記の通り、決まっています。5kmから100kmまで多くの公認コースがあります。ちなみに100kmの大会はサロマ湖ウルトラマラソン、柴又100K、高野山・龍神温泉ウルトラマラソン、四万十川ウルトラマラソンの4つありました。もしメジャーで測定していたら、大変なことになります。

  • 5km
  • 10km
  • 15km
  • 10マイル
  • 20km
  • ハーフマラソン
  • 25km
  • 30km
  • マラソン
  • 100km
  • ロードリレー(42.195kmのみ)

競走路の計測方法

2種類の計測方法があります。ときどき陸連公認以外に、WA/AIMS公認を見かけることがありますが、自転車で計測しています。フルマラソンの距離は42.195kmと計測されていますが、もしかすると0.1%の42.195mほど距離が長くなっている可能性があります。

  • ワイヤー計測:真の50mから、50mワイヤーを作製して、50mごとに計測する。
  • 自転車計測:自転車専用カウンター(400m)を取り付けて、自転車で計測する。
    距離の減少を防止するために、400.4m(※0.1%長い)進むごとに400mのカウントをする。
  • 世界陸連(WA)および国際マラソン・ロードレース協会(AIMS)公認は自転車計測のみ

競走路の計測位置

計測位置は下記の通り定められています。下記は50mワイヤーを使用した計測になります。自転車の場合は、そこまで精度良く測定はできないため、1000mに対して1mの誤差がプラスされています。自転車だとカーブなど道路端から30cm以内を走行すれば、ワイヤーに比べて正確に測定できない可能性がありますね。

  • 競技場内のトラックの場合、内側の縁石から30cmの地点を計測する。
  • 道路の場合、競技者が使用する道路の端から30cmの地点を計測する。
  • すべての競技者に有利にならないようにコースの最短距離を計測する。
  • 彎曲した道路、曲折した道路は、彎曲部分や曲折部分の頂点から30cm離れた地点を結んだ最短距離を計測する。
  • スタート地点より5kmごとの距離標識を設けること

金沢マラソンでは、公認コースの継続認定のため、検定員によるコース認定が、夜明け前に自転車3台で、実施されています。

愛媛マラソンでは、日本陸上競技連盟の計測員が、距離計測メーターを装着した自転車3台で、約4時間かけて計測されています。日本陸連の規定で5年に1度行われています。以前は50mワイヤーを使用していたが、2015年大会から自転車計測になりました。

変わったルール

こんな変わったルールも有りました。

  • スタートとゴール地点の2点間の標高差は1000分の1以内にする。

つまり、100mの標高差があった場合、スタートとゴール地点の差は10cm以内に抑えないと行けないということです。おそらく推測ですが、スタートとゴール地点の標高差が大きい場合、下りがメインのコースになったり、登りがメインのコースになったりして、選手に不利益が生じるからかもしれません。下りメインだったら、世界記録も更新されますよね。

他にもこんなルールがありました。

  • 計測者の傷害保険に加入すること。

おそらく早朝など、車通りが少ない時間帯に、自転車やワイヤーで距離計測するにしても、安全確保は最優先の課題です。ただ万が一の可能性もあるため、計測時は傷害保険に入らないといけないのですね。

ワイヤー計測の大会はあるのか?

50mワイヤーで距離計測するマラソン大会は、非常に大変です。ほとんどの大会は自転車で計測していると思います。そしたら、50mワイヤーで計測したマラソン大会はあるのか?疑問に思いました。42.195kmの計測なら、844回繰り返し計測することになります。100kmマラソンなら、なんと・・・2500回繰り返し計測することに!!!ワイヤー計測の大会があるのか調べてみました。

富山マラソン

2015年大会は自転車による距離計測が行われましたが、以前は50mワイヤーロープを使用して、距離計測が実施されていました。

愛媛マラソン

2015年大会は自転車による距離計測が行われましたが、以前は50mワイヤーロープを使用して、距離計測が実施されていました。

大田原マラソン

かつてはワイヤー計測が行われていました。2007年検定では、約30人がかりで50mワイヤーを動かして、距離を計測している記録があります。現在は、自転車計測で、3人の審判員がコースの最短距離を計測しています。

GPSと実際の距離の差分は?

GPSが標高差を考慮して、距離を計測していれば、精度の高い距離表示をしてくれますが、平面距離をただ表示するだけなら、実際のコースで登り下りがあれば、角度に応じて誤差になります。

またGPSのコースを拡大表示してみると、地図とずれている部分(GPSドリフト)があります。カーブなど顕著で、かなり内側を走っている場合があります。

よくマラソン大会で距離が300m短かったとか、400m短かったという意見がありますが、もしかすると、GPS時計の仕様で、平面距離を表示していたり、登り下りの距離が考慮されていない可能性があります。

ガーミンなどのGPSウォッチの仕様によって、距離計測に誤差が生じる可能性があります。また、距離がほとんど同じ場合、もしかすると同じ時計で計測した大会かもしれませんね!

まとめ

本日は、マラソン公認コースの距離の測り方をご紹介いたしました。50mワイヤー計測で、以前は、フルマラソンの場合、844回も人力で計測されていましたが、今は、自転車3台で、陸連検定員が計測して距離を出しています。

自転車計測だと若干の誤差で距離がマイナスになることを防ぐために、0.1%の加算がされています。また測定は早朝に実施される事が多いようです。

どのように測定されているのか知ることで、公認コースを走るときに、少し楽しみながら走れますね!!

最後までお読みいただきありがとうございました。